date 2019.09.02
# 化粧品辞典
界面活性剤は何に入っているの?
前回、界面活性剤って何だろう?というお話をさせていただきましたが、
今日は、界面活性剤は何に入っているの?というお話をします。
界面活性剤とは、水と油のように混ざり合わないものを、混ぜ合わせるための物質のことを言います。
(↑クリックしていただくと、界面活性剤の記事に飛びます)
化粧品に使われている界面活性剤には、大きく分けると2つの種類があります。
・ 汚れを落とす「洗浄剤」
・ クレンジンオイルやクリーム、乳液などを作るときに、水と油を混ぜ合わせる「乳化剤」です。
(乳化剤という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、乳化剤とは界面活性剤のことです。)
「 洗浄剤 」
クレンジングや洗顔フォーム、ボディソープ、シャンプー、石けんなど、さまざまな洗浄剤がありますが、
洗浄剤と呼ばれる化粧品には、ほとんど界面活性剤が入っています。
(油と水とアルカリを混ぜて作られている石けんも、界面活性剤の一種です。)
界面活性剤には、油や水など混じり合わないものの界面(表面)を変質させるという性質があり、
その性質を利用して、肌表面にある酸化した皮脂(油)や汗(水)、ファンデーション(油)などのメイクをきれいに落とします。
ですが、界面活性剤を長時間、肌につける(残る)と肌に負担がかかります。
生活をしていると、肌に花粉やホコリがついたり、メイクをしてお出かけしたり、汗もかきますし、皮脂もでます。
毎日の汚れをきれいに落とすことは、基礎化粧品を塗ること以上に大切なスキンケアです。
一日中、日焼け止めやメイクをせず、室内で過ごす場合は、お湯で汚れを落とすこともできますが、
お湯では落ちない汚れは、洗浄剤を使って落とす必要があります。
そこで大切なことは、肌に界面活性剤を残さないこと。
石けんは水で薄まるとすぐに洗浄力がなくなるので、簡単に洗い流すことができます。
一方、合成界面活性剤入りの洗浄剤は、水で薄まっても洗浄力を保つものが多く、丁寧にすすがないと肌に残ってしまいます。
界面活性剤が肌に残ると、いつまでも洗浄力の働きを維持するため、肌が洗いすぎの状態になります。
石けんでやさしく、時間をかけずに、洗うことがポイントです。
(石けんでも、何度も洗いすぎると肌に負担がかかります。)
「 乳化剤 」
界面活性剤には、洗浄剤の他に水と油を混ぜ合わせる乳化という働きもあります。
水で洗い流すときれいに落ちるタイプのクレンジングや、クリーム、乳液などに乳化剤は入っています。
洗浄剤と同様に、乳化剤も長時間、肌につけると負担がかかります。
これは、天然由来の乳化剤も同じ!
合成界面活性剤と比べると乳化の働きは弱いですが、長時間、肌の上にのせた状態がつづくと、少しずつ皮脂と汗からできている皮脂膜を壊し、肌のバリア機能を弱くしてしまいます。
肌のお手入れをしっかりしているけど肌が整わない。乾燥がひどい。という方は、もしかしたらこの界面活性剤が原因かもしれません。
一度、水で洗い流すときれいに落ちるタイプのクレンジングや、クリーム、乳液などをお休みしてみましょう。
人は皮脂と汗を、肌の上で自然に乳化させて、天然のクリーム(皮脂膜)を作っています。
つまり、肌には自然に油と水を乳化する働きがあるんですね。
すでに、油と水を乳化しているクリームや乳液はお手軽ではありますが、このバリア機能を壊さないよう、コクーンでは、化粧水とオイルを肌の上で乳化させるという方法を採用しています。
肌には本来、自分でうるおう力があります。
その機能が足りない分だけ、オイルと化粧水をおぎなうという考えです。
「石けん」と「化粧水」と「オイル」だけのシンプルケアで、ご自身の肌を鍛えてみませんか。
ディレクター
そうだ かおり
「からだとこころ、環境にやさしいものづくり」をテーマに、ていねいな暮らしを提案します。