date 2019.02.20
# 石鹸の豆知識
石けんはどうやって作られているの?
〜石鹸の製造法について〜
だけど、作り方については案外と知らないもの。
まず、石けんは何でできているのか?
石けんは、油 ・ 水 ・ 苛性ソーダ(別名:水酸化ナトリウム) でできています。
※ 精油や美容成分などを配合することもあります。
配合する成分によって、石けんの使い心地が変わりますが、
じつは製造方法によっても石けんの特徴は大きく変わります!
石けんの製造方法には大きく分けて2種類あります。
一つは【中和法】、もう一つは【けん化法】です。
中和法 | 中和法 |
けん化法 | 釜炊き塩析法 |
釜炊きけん化法 | |
コールドプロセス製法 |
1.【中和法】
中和法とは、あらかじめ 油を 脂肪酸 と グリセリン に分解し、脂肪酸だけを苛性ソーダと水と反応させる方法です。
(油から取り出した)脂肪酸 + 水 + 苛性ソーダ
この製造法はコストを安く、大量生産したい場合に採用されることが多いです。(数時間で石けんが出来上がります。)
出来上がった石けんには、保湿成分である天然の グリセリン が含まれていません。
次に、けん化法とは、油と苛性ソーダと水と反応させる方法です。
油 + 水 + 苛性ソーダ
この けん化法の中にも種類があり、
熱を 加えて 作る 釜炊き塩析法
熱を 加えて 作る 釜炊きけん化法
熱を 加えず 作る コールドプロセス製法 があります。
2.【釜炊き塩析法】
釜炊き塩析法とは、まず大きな釜にすべての材料を混ぜ入れ、かき混ぜます。その後、不純物を取り除くために 塩 を加え、加熱しながら液状石鹸をつくります。(この工程を 塩析 と呼びます。)そこで出来た液状石鹸を型に流し込み、固まったあとに石けんを型から取り出し、熟成させる方法です。
この方法で作った石けんはとても純度が高いですが、塩析の段階で、石けんから不純物と一緒に保湿成分である グリセリン も取り除いてしまいます。
3.【釜炊きけん化法】
釜炊きけん化法とは、大きな釜にすべての材料を混ぜ入れ、ぐつぐつと熱を加えながら、じっくりと釜で作る方法です。
※ 釜炊き塩析法の、塩析の過程がないものとイメージすると分かりやすいかもしれません。
熱を加えながら成分を混ぜ合わせるため、油や美容成分 など、熱に弱い成分を配合する場合、成分が壊われやすくなります。
4.【コールドプロセス製法】
コールドプロセス製法とは、すべての材料を加え、かき混ぜながら液状石鹸を作り、型に流し込み固まったあとに石けんを型から取り出し、熟成させる方法です。
釜炊きけん化法とは違い、火にかけず、油と苛性ソーダ水を混ぜたときに自然に発生する低温熱で石けんを作るため、油や美容成分などの有効成分を壊すことなく、石けんに丸ごと閉じ込めることができます。
(石けんが出来上がるのに45日程度かかります。)
さまざまな製造方法がありますが、コクーンでは素材を壊すことなく丸ごと石けんにできる「コールドプロセス製法」で石けんを作っています。
ディレクター
そうだ かおり
「からだとこころ、環境にやさしいものづくり」をテーマに、ていねいな暮らしを提案します。